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Skyrim長文:フォースウォーンの陰謀~誰も逃げられない

スカイリムのクエスト「フォースウォーンの陰謀」と「誰も逃げられない」に関する内容。
(※当記事には個人的な解釈が含まれます。)



PC版では、初のマダナック始末ルートにいってみた。

CS版では、解放ルートに進んで無実の罪で投獄されたNPCに腐敗した衛兵達への報復をさせたあと、一行がマルカルスを出るまでに全員転がすという選択をしてきた。(一人でも一般人NPCに被害が及んだらリセット)。それが無実のNPCへのせめてもの慰めだと思った。
そして主人公はリーチメンの明らかな敵になる。ウルフリックは王○しの悪党と帝国側の要塞の人間から罵られるが、主人公もこれでマダナック王○しの悪党だ。

この一連のクエストはどちらを支持するのが正解なのか。未だにその答えは出ない。(答えなんか出ないだろうというのは置いといて。)
スカイリムを実質的に統治しているのはノルドだという理由と、そして帝国もリーチメン達の国を正式に認める様子がないという理由で、私はドヴァーキン達にノルド側を支持させた。


※理由。
どの勢力がリーチメンの国を認めてくれるのか。
ゲーム本編後にスカイリム地方を支配するのは、ストームクロークと帝国(帝国の場合は再統一なので元に戻るだけ)のどちらか。ストームクロークはまず無理。では帝国はどうか。
個人的には、帝国もリーチメンの国を認めることはしないだろうと予想。

以下がリーチの支配権を巡る流れとなる(参考:UESPのReachmenのページ)。

第2紀852年。
ヒャルティ・アーリービアードとスカイリムのノルド達がオールドフロルダンの戦いでリーチメンを破り、マルカルスとリーチ地方をノルドが占領した。その間、帝国はリーチメンを反抗的で無法な雑種(雑種?)だというプロパガンダを行った。

第4紀174年。
リーチメンは後に「フォースウォーンの反乱」として知られる反乱を起こした。これは帝国軍が大戦の対応のために不在になった隙を突いて行われた。リーチメンによる比較的平和な統治が2年間続き、その後で、リーチメンは帝国に対して(国としての)承認を求めた。

第4紀176年。
帝国は大戦のせいで、リーチを奪還するために派遣できる軍隊がいなかった。
ウルフリック・ストームクロークは、タロス崇拝の合法化を条件として帝国と取引を行い、市民軍を率いてマルカルスをリーチメンから奪還した。

リーチメンが承認を求めた後も、帝国は軍隊を使ってリーチを奪還する気であったことから、帝国はリーチメンの国を正当な王国として認める気はなかったように解釈できる。
ここから察するに、帝国を支持してもマルカルスとリーチ地方の支配権がノルドからリーチメンに移ることはないように思える。


※ゲーム内書籍『スカイリムの要塞』には、「このスカイリムの危険な場所がリーチに存在する反乱分子、フォースウォーンの本拠地だという事に注意するように。彼らは土地勘があり、帝国軍を敵と見なし、何の前触れもなく攻撃してくる可能性がある。」という記述あり。
(この本にはストームクロークに関する記述がある。蜂起以降に書かれたものか。蜂起は第4紀201年。)
つまりマルカルス事件の後、ゲーム開始時点(第4紀201年)においても、帝国はフォースウォーンを反乱分子としか見なしていない

陥落させることと維持することは違う。大戦の折に隙を突いて奪還したはいいが、2年統治しても帝国から認められず、ウルフリック率いる市民軍にあっさり奪還し返されてしまう程度の力で、ストームクロークか帝国を相手にリーチを維持できるとは思えない。

※メタなことを言うと、ストームクロークと帝国軍にはそれぞれ「スカイリムの解放」と「スカイリムの再統一」という結末が用意されているが、フォースウォーンには無い。マダナックが野に放たれるだけ。そのマダナックの影響力も、フォースウォーン全員に及ぶほど強くはない。(他の場所では普通に襲われることから判断。)


●リーチで続く憎しみの連鎖
マダナックを解放することは、現状としてはフォースウォーンを勢いづかせ、何の罪もない住民を危険に晒すという意味をもつ。
先住民のリーチメンが可哀想だから彼らを支持するとして、ならばフォースウォーンの襲撃によって命を落としたり財産を奪われる者達はどうか。

フォースウォーンに奪われたコルスケッガー鉱山の生き残りパボ・アティウスはインペリアルであり、カースワステンを代々所有しているアイネサックはフォースウォーンと同じブレトン(恐らくリーチメン)だ。


フォースウォーンはノルドだけでなく、(恐らく)マルカルス事件に関与していないオーク達やインペリアル、そして同じ種族のリーチメンまでも襲っている。彼らが、リーチの支配権を求めるフォースウォーンの手によって○ぬ。それを主人公が後押ししてしまうことになる。
これは、ただ単に「(先住民が)可哀想」というだけの理由で片づけられる問題ではない。

「フォースウォーンに協力しないリーチメン等が犠牲になるのは仕方ない」とした場合、マルカルス事件でウルフリックが行ったとされる行為(真偽不明)を批判する際にブーメラン化する。フォースウォーンをストームクロークに、リーチメンをノルドに置き換えてみればいい。
無論、逆も然り。

この2人はリーチメン?もちろん2人とも種族的にはブレトン。


また、仮にマルカルス事件の話が真実で、ノルドに同族の不始末を恥じる気持ちがあったとしても、だからといって自分の命を他人に奪わせてもいいと考える人間は多くないだろう。
仮に大昔のどちらかの祖先が連鎖の大元だったとしても、現在生きている命が奪われるのは現在生きている人間による。

マダナックを解放したことで勢いづいたフォースウォーンに○されたのであれば、犠牲者とその親類・友人達が「主人公がマダナックを解放さえしなければ」と考えても不思議ではない。犠牲となった人に発端は大昔の祖先や他人のせいだと説いて、彼らが自分の命を奪われたことに納得できるかといえば、そういう人は少ないだろう。
主人公はその時、犠牲となった人達に何ができるだろうか?そう、これに悩まされる。そして私はこれを正当化できる理由を見つけることができなかった。

ノルドを支持すればフォースウォーンが犠牲になり、フォースウォーンを支持すればノルド等が犠牲になる。そして双方の犠牲者は互いに憎しみ合う。憎しみの連鎖が続いていく。
どちらかだけが被害者であるというレベルではないように思える。

この一連のクエストは、単純な勧善懲悪ではなく、何をもって自分の行為を正当化するか、何を実現するために何を犠牲にするのかをプレイヤーに考えさせてくれる。べセスダは本当にこういうのが上手い。
クエスト名の「誰も逃げられない」は、シドナ鉱山からという意味のほかに、「憎しみの連鎖からは誰も逃げられない」という意味もあったのかな、と思う。

●カースワステンの虐○について
休戦会議クエストでテュリウス将軍が要求する「カースワステンの虐○に関する賠償」。
ストームクロークがカースワステンの住民を虐○したという話で、ストームクロークに賠償を求めてくることから、それの時期は、マルカルス事件(第4紀176年)の時かそれ以降だと思われる。
こちらはマルカルス事件のケースとは違い、虐○に言及するNPCが存在しないどころか、本やメモすら無いという状態。休戦会議でいきなり切り出されて戸惑ったプレイヤーも多いのではなかろうか。

この件に関して、この人物の発言が参考になると思う。

アイネサック。代々カースワステンを所有してきた一族の人間。
彼が生きている事実は、虐○があったとするテュリウス将軍の主張に違和感を感じさせる。


なぜなら、彼はこう発言しているから。
ノルドは、アイネサックがフォースウォーンのために働いていると思っているらしい。それなら、彼はとっくに「処刑」されていないとおかしい。(『マルカルスの暴れん坊』によれば、「我々と共に戦わないなら、お前はスカイリムの反逆者だ」という扱いらしい。)
仮に、彼でなく彼の親が「処刑」されていたとしても、それならそれでノルドを大いに恨んでいるんじゃないか?

個人的には、この事件に関して、ストームクロークに補償を約束させることで、既成事実化させようとしているようにもとれると感じた。
ストームクロークはスカイリムの(帝国支配からの)解放を掲げているから、これが実現すれば、ストームクロークに対するイメージの大幅な悪化を図ることができる。
証拠の有無はどうあれ、ウルフリックは確かにそれをやりそうな危ないイメージはあるから、あとは約束さえさせてしまえば、人々はそれを事実として信じてしまいそうではある。

休戦はドラゴンボーンがアルドゥインを倒すまでの期間だけなのだから、休戦期間が終わった時にできるだけ有利な状態になっていたいと将軍が考えても不思議ではない。
そもそも、領土の要求という休戦開けを見据えた話をしているのに、虐○の補償という異色な要求が出てくるのも不自然だ。この要求にも何らかの意味合いがあると考えるのが自然ではなかろうか。それが私が予想した内容であるか否かはわからないが。


※マルカルス事件について。
内戦クエストで執政のラエレクに対してタロスのアミュレットについて話す際、彼は「(ウルフリックが)何をやりかねないかを見た」と発言するが、「何をやったか」でなく「何をやりかねないか」なのが引っかかる。『マルカルスの暴れん坊』の内容が真実なら、「何をやったか」になるんじゃないか?これでは、無かったともあったとも言えない。
ポテラやオムラング等、リーチメンらしき人間がいるのも気になる。仮に内容が真実なら、彼らは「処刑」されているのでは?台詞を見る限り、ウルフリック側とは思いにくい。


※2
ノルドは第3紀の433年間と第4紀の173年間、リーチ地方を支配していたようだ。
スカイリムは第2紀末にクーレケインと同盟を結んだ。クーレケインの軍を率いていたのは、ヒャルティ・アーリービアード(タロス。後のセプティム朝初代皇帝タイバー・セプティムのこと。)。
彼が率いるコロヴィアン隊とノルドの戦士は、852年、リーチメンの戦線を突破し、彼らをオールドフロルダンの門まで撤退させた。ヒャルティは最終的にオールドフロルダンの門を制圧し、軍は門の中になだれ込んだ。マルカルスとリーチの地はノルドによって占領された。
次にリーチメンについて言及される時期は、第4紀174年のフォースウォーンの反乱となる。


※参考:
UESPの「Lore:Reachmen」、ゲーム内の書籍『マルカルスの暴れん坊』、『アークチュリアン異教』。


アリアヌス・アリウス氏が著者になっている他の書籍。『マルカルスの暴れん坊』の他には『リーチの"マッドマン"』がある。
ここでは、「インペリアル学者 アリアヌス・アリウス」ではなく、「アリアヌス・アリウス 帝国の学者」となっている。原文では、前者は「Arrianus Arius, Imperial Scholar」、後者は「Arrianus Arius, Imperial Scholar」となっている。同一の表記であることから、日本語版での表記の違いは、翻訳時の表記揺れだと解釈できる。


こちらの本では、著者はリーチメンの再評価を試みているようだ。
>長年"敵"や"問題を起こす人"、そして"奴ら"という役割を割り当てられ苦しんできた集団を、より完全に、正確に、そして公平に評価したいと思う。

この書籍によって、「第4紀に信仰を奪われたノルドは、過去、リーチメンの信仰を奪っていた」ことが明らかとなる。とはいえ、ストームクロークと対になる選択肢「帝国」も、ノルドの信仰を奪おうとしたんだが。
「過去にリーチメンの信仰を奪ったノルドを批判するために帝国を支持」しようとすると、「帝国がノルドの信仰を奪おうとした事実」が矛盾を突きつけてくる。逆も然り。

また、リーチメンもこのアリアヌス・アリウス氏に
>我々は真のリーチの民だ。
>霊魂とハグレイヴンは最初からここに住んでいて、我々の味方だ。帰れ。
>帰って、我々は再び王国を築くと帝国に伝えろ。
>そして来るべき日に、お前達の物でなくなった土地にお前達の○体を埋めるのは我々だ。
こんなことを言っているので、最終的にはどれも同類という結論に至る。まあ、こんなものかもしれない。



おまけ

●マルカルスとデイドラ崇拝
この争いとは関係はないが、マルカルスのモラグバルの祭壇は誰が設置したものなんだろう。
UESPの「Lore:Reachmen」によると、リーチメンはハーシーンを崇拝し、いくつかの部族はモラグ・バル、マラキャス、メエルーンズ・デイゴン、ナミラへの儀式を行うらしい。
そういえば、マルカルスにはナミラ信者もいた。エオラは…ブレトンだった。(リーチメンはブレトン。)
もしかしてリーチメンの置き土産?


●タムリエルの先住民
もし先住民の主張が全てにおいて正しいのであれば、人間種族は全ての土地をエルフに明け渡さなければならず、エルフは獣人に全ての土地を明け渡さなければならない。もちろん明け渡す側にはリーチメンも含まれる。
それで?それで、明け渡した側はどこに行けばいいのか。レッドガードの故郷ヨクーダは既に沈没。レッドガード以外の人間種の故郷アトモーラは既に居住不可能な状態。エルフ達の故郷アルドメリスも失われた。カジートはエルフから変化したらしいのでエルフ枠で。
(参考:ゲーム内書籍『人類の誕生以前』。)


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