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Skyrim:ウィンドヘルムの話

ウィンドヘルムは「ノルド←→他種族」の構図であるとか、ノルドだけが悪いという主張が少なくないために書いた記事の1つ。
(※当記事には個人的な解釈が含まれます。ロールプレイングを楽しむために書かれたものです。)

●内容
1.アルトマーとインペリアルの扱い
2.ダンマーの扱い①
3.ダンマーの扱い②
4.ウルフリックはウィンドヘルムの現状に無関心なのか?
5.アルゴニアンの扱い


1.アルトマーとインペリアルの扱い
ウィンドヘルムは、帝国からの独立を目指す反乱軍ストームクロークの本拠地であり、また、ノルドは歴史的経緯からエルフと仲が悪いことが知られている。

そのウィンドヘルム内に住んでいるのはノルドだけではない。数で言えばノルド以外で一番多いのは街の半分を占めるダンマーだ。他にもアルトマーが2人(馬屋の分を合わせると4人)、インペリアルが3人いるが、彼らがダンマーのような悪い扱いを受けている描写はない。※1

アルトマーはサルモールを構成する主要な種族だが、それを理由にウィンドヘルム内のアルトマーが「そういう目で見られる」ことはないようだ。
また、「氷の上の血」の真犯人でインペリアルのカリクスト・コリウムが罰せられた後に、インペリアルの扱いが悪くなることもない。

私は、これはウィンドヘルムのノルドが無条件に他種族の扱いを悪くしているのではないことを示していると感じた。
差別意識の強い人物は、特定の集団から1人でも問題のある人物が出てくると、それを理由として、その集団に属する残りのすべての人物に対して何らかの除外行為を行うことがある。しかしアルトマーとインペリアルに関してはそれは見られない。
ウィンドヘルムがノルド以外の全種族に対して人種差別を行うという主張が正しいのであれば、アルトマーとインペリアルも疑われていないとおかしい。

この件に関して、アルトマーのニラナイの台詞にヒントがあるように思える。


この台詞からわかることは、ウィンドヘルムの街へ貢献する能力を持っていると証明できれば、面倒事は起きなくなるということ。
他のアルトマーやインペリアルの場合も同様で、ダンマーはそれができなかったんだろうか?

一方、こちらはインペリアル、「氷の上の血」でもお世話になるヴィオラ・ジョルダノの例。

「彼」とはサドリの古物商の店主、レヴィン・サドリ。
この人物はインペリアルでありながら、ダンマーに重税を課すべきと「言う側」にいる。
(「彼」だけでなく「あの連中」と一括りにしていることから、この人物には差別意識があるように見える。)

この2人の存在からも、ウィンドヘルムは「ノルド←→それ以外の種族」という単純な構図ではないのだとわかる。少なくともインペリアルのうちヴィオラ・ジョルダノは、ノルド側に属しているようだ。


※1
ウィンドヘルムのアルトマーとインペリアルの一覧。
①アルトマー
・アリバンヤ(Arivanya) 馬屋の夫婦(妻)。
・ウルンディル(Ulundil) 馬屋の夫婦(夫)。
・ニラナイ(Niranye) 盗賊ギルド関係。
・ヌレリオン(Nurelion) 錬金店ホワイトファイアルの店主。

②インペリアル
・カリクスト・コリウム(Calixto_Corrium) ブッチャー本人。
・クインタス・ナバレ(Quintus_Navale) ヌレリオンの弟子。
・ヴィオラ・ジョルダノ(Viola_Giordano) ブッチャーを探してる人。


2.ダンマーの扱い①
灰色地区は、保守思想の強いOld holdsの要塞、ウィンドヘルムにある。
流入したのが帝国の影響の強いソリチュードや、土地にも食料にも余裕のあるホワイトランならまた違った結果になったのかもしれないが、残念ながらこの地方はスカイリムでは厳しい地域だ。歴史的にも、環境的にも。
そんな要塞が城壁の中の一区画を元来仲の悪いダンマーに与えただけでも、凄い話だと言えるだろう。

与えたとは言っても、自発的に提供したのか、それとも提供させられたのかはわからない。ダンマー難民の受け入れは当時の上級王の独断だったという話が聞けるので、もしかしたら後者が正しいのかもしれない。(発言者は1人のみ。真偽不明。)
しかしどちらにせよ、ウィンドヘルムが保守思想の強い地域の要塞であることを考えると、その影響の大きさが伺える。

ソルスセイムの場合、あれは島だけ提供するから後は自分達でやってくれと言ってるようにも取れる。しかし、ウィンドヘルムの場合は、現地のノルドが実際に生活している場所だから、有難みの度合いが違う。残念なことに、難民化したダンマー達はその価値が理解できなかったようだ。

そしてこうなった。
 
ダンマーが難民化した切欠であるレッドマウンテンの噴火が第4紀の5年。スカイリム上級王がソルスセイム島を譲渡したのが16年(この時点では、レイヴン・ロックの黒檀の鉱脈は枯渇したと判断されていない)。そしてゲームの開始年が201年となっている。

ウィンドヘルムが第4紀の何年にダンマーを街に入れたのかはわからないが、ダンマーはどんなに少なく見積もっても100年以上(普通に考えれば200年程度)灰色地区にいることになる。
それほど長くいて、なぜ地元に同化できていないのか。アルトマーのニラナイの言うように能力の有無なのだろうか。
或いは、この台詞にある通りなのだろうか。


彼女、ニラナイはダンマーとは違い、ウィンドヘルムには来たばかりであるようだが、自身の能力を証明して受け入れられたようだ。



そもそもニラナイのいう「役に立つ」とは何のことなのか。
ただ単に商売の能力というだけなら、彼女の左斜め前でアヴァル・アセロンが同じことをやっている。灰色地区ではレヴィン・サドリが壁内で唯一となる雑貨屋をしている。

彼女は、トールビョルン・シャッターシールドと盗賊ギルドについて、ロンリー・ゲイル船長と密輸について会話している。「役に立つ」とは、もしかすると「そっち関係」かもしれない。

だとすれば、そのレベルの能力を新しい住民一人一人に求めるのはハードルが高い。壁内のもう一人のアルトマー男性、ヌレリオンも能力としてはかなりハイレベルに思える。

『灰色地区の災厄』には、「エルフを我々の神聖な故郷から追い出したことからその名が付いたイスグラモルの街が、硫黄で煙たい地からの難民すべてを迎え入れたのなら、ノルドであるという事自体が恥となる。」という記述がある。
だからエルフに関しては特に厳しいのかとも思ったが、馬屋のアルトマー夫婦、アリバンヤとウルンディルは特に目立った所のない人物に見える。どうも基準がわからない。
エルフはエルフでも、アルトマーとダンマーでは違うのか?

非エルフの話になるが、インペリアルのうち、ヌレリオンの弟子のクインタス・ナバレ、「氷の上の血」で関わるヴィオラ・ジョルダノも特別な感じはしない。カリクスト・コリウムはある意味ハイレベルだったが、彼のあのハイレベルさが住民に知られていたかは怪しい。

3.ダンマーの扱い②
灰色地区のダンマーの中には、ノルドの元で働くことを恥じている者もいる模様。
「姉妹」に該当するのはスヴァリス・アセロン。「兄弟」に該当するのはアヴァル・アセロン。ニラナイの近くで商売をしている男性。

中にはこんな人物もいる。

ニューグニシス・コーナークラブのアムバリス・レンダー。

これは極端な例のようで、全てのダンマーがアムバリス・レンダーのような考えを持っているわけではない。

ウィンドヘルムを「ひがみ屋と料簡が狭い奴らの温床」と表現したスヴァリス・アセロンや、後述の湿地帯の斥候(アルゴニアン)ですら、彼を煙たがっている模様。彼はどうも他の灰色地区のダンマーより過激なようだ。(※4)

逆に、希望の持てそうな例としては、べリン・フラールやファーイル・アセロンが挙げられる。


特にべリン・フラールは、

ノルドだけだと言われる環境で、ノルド以外でありながら実践している。


まとめ。
アルトマーやインペリアルに対しては個人を見て判断していると思える状況だが、ダンマーに関しては何故かそれができていないようだ。
ニラナイの言う能力の話にしても、ハイレベルな能力を有する者とそうでない者が混在しており、ダンマーの扱いは能力が理由であるとは断言できない。
結果を見れば、ダンマーに関しては差別が存在すると言える。ただ、ウィンドヘルムは「ノルド←→他種族」の構図であるとか、ノルドだけが悪いというわけではなさそうだ。

※4
ところで、このニューグニシス・コーナークラブの二階には「帝国軍の装備」と「帝国の旗」が飾られているが、飾ったのは彼(アムバリス・レンダー)なのだろうか。

石拳のロルフが適当に言っていた「帝国のスパイ」。もしかして店主は…と思わせる要素だが、確証は得られない。
モロウィンドのグニシスは帝国の影響力の強い都市だった。だから、そこから来た難民の中に元帝国兵がいてもそれ自体は不思議ではない。現在はどうなのか。


4.ウルフリックはウィンドヘルムの現状に無関心なのか?
現実の例を挙げれば、WW2のアメリカでは日系人が強制収容されたし、ドイツではユダヤ人に対する強制収容・虐殺があった。
しかしウルフリックはそういうことはしていない。強制収容も虐殺も追放もせず、「現状を放置」している。これが無関心からくるものなのか、戦争中で余裕が無いからなのか、それとも別の理由があるのかは不明。

或いは、是非はともかく、ダンマー難民の受け入れは当時の上級王が決めたことなので、自分が上級王になってその決定を上書きするまでは決定に従うつもりなのか。(これは完全に想像。イメージの話。ウルフリックがダンマーを追放しようとしている描写は無い。)


5.アルゴニアンの扱い
エルフに関しては、タムリエルへの入植とその後の経緯から悪感情が残っていることはわかる。アルゴニアンに関しては何故だろうか。

モロウィンドでは定番の奴隷であったし、生贄にされやすい種族であることから、タムリエルでの扱いが全体的に良くないのだろうか?
元々の扱いの悪さに加えて、保守的なOld holdsゆえの補正(※1)がかかってこのような扱いになったのかとも思ったが、調べてみたらリフテンもOld holdsだった。

一応、スカイリムの他の地方も見てみよう。

ソリチュードではこんな発言がある。全くそういう傾向のない人物に対して「それは間違いない」などと言うはずがないので、上級王トリグには、そんな面があったのかもしれない。
しかしこれはあくまでアハタルとトリグの傾向を示すもの。ゲーム開始時点で否定的な見方をしているのは(トリグは故人なので)アハタル以外には見当たらない。

ソリチュードではアルゴニアンに対する風当たりは、現状ではほぼ無いに等しいと言えそうだ。残念なことに、ソリチュードのアルゴニアン2人のうち、ガラム・エイは盗賊ギルド関係者、ジャリー・ラはブラック・ブラッド略奪団(賊)の一員なのだが。

アルゴニアンが多い要塞は、あとはリフテンくらいだ。リフテンではそういう傾向は全く見られない上に、他の要塞に比べて問題のあるアルゴニアンが圧倒的に少ない。過去にスクゥーマをやったことを後悔するウジータをカウントするかどうかという程度。

ウィンドヘルムで港湾労働者をしているアルゴニアンは、湿地帯の斥候、浅瀬にたたずむ、シャーヴィー、ネートレナザの計4人。
この4人の中で差別に該当するかもしれない例は、湿地帯の斥候の言う賃金の話だろう。
ただ、不人気な仕事の賃金が安いのは現実でもよくあることなので、これだけで低賃金の理由をすぐさま人種差別と結び付けるのは難しい。

港湾労働者がアルゴニアンばかりである理由については、曰く「ノルドがやりたがらないから」。ノルドは何故やりたがらないのか。仕事がきついからなのか、それとも賃金が安いからか。

賃金の安さにしても、元々安かったのか、アルゴニアンだから安いのか、アルゴニアンがノルドより低賃金で引き受けるから安くなったのか。彼だけ安いのか、他のアルゴニアンも同様なのか。それがはっきりしないと何とも言えない。
他のアルゴニアンも同様で、理由がアルゴニアンだからならば、人種差別と言えるが。


※なお、『スヴァリス・アセロンの記録簿』によれば、「怠惰な倉庫労働者」や「不在の間、アルゴニアンは完全に作業をめちゃくちゃにしていた。驚きはない」といった記述がある。「驚きはない」という記述から、彼らの勤務態度の悪さはよく知られていると解釈することができる。
この「勤務態度の悪さ」が賃金に影響している可能性は…?

※アルゴニアンが城壁の中に住めない理由として考えられるもの。
①モロウィンドの支配者層のダンマーと、モロウィンドで主要な奴隷だったアルゴニアンを一緒にすることで発生する問題を考慮した。
②ダンマーに関しては上級王の決定により受け入れをした(させられた)が、アルゴニアンに関しては何もないので中に入れていない。


※1
Old Holdsについて。
『帝国へのポケットガイド 初版』のスカイリム編、UESP「Lore:Pocket_Guide_to_the_Empire,_1st_Edition」の「Skyrim」を参照。

該当箇所の個人的な訳。
「北部と西部のHolds――ウィンターホールド、イーストマーチ、リフト、ペイル、Old Holdsと総称される――は、地理的及び選択によって孤立したままであり、同地のノルドは古い風習に忠実である。外から来る人間は希だが、通常は一年に一回巡回する行商人が訪れる。」



※灰色地区のダンマーはどこの大家の者か。
フラール家と予想。ニューグニシス・コーナークラブのネーミングと帝国軍装備の存在、フラール家が五大家から外される状況でフラール家を讃える『スカイリムのダンマー』の内容と、フラール家の名字を持つべリン・フラールの存在から。

本土に残れず、レドラン家の領地となったソルスセイムにも行けず。南からはブラックマーシュ軍が侵攻してきているので、南にも行けず。南西のシロディールは皇帝不在で不安定。となれば、帝国の属州のひとつである西のスカイリムへ流入するしかなかった。
ところが彼らが難民として流入したウィンドヘルムは、第4紀201年、帝国からの独立を目指す反乱軍ストームクロークの本拠地になってしまう。
そして「帝国からの独立を目指すストームクローク」と「親帝国派のフラール家」が同じ都市に同居する結果に!…とか。

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